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国語を伸ばす「たった一つのやり方」は存在しない
国語という科目の難しい所は、実に様々な能力を、同時に試す科目であるということにあります。そのため一つの問題であっても、どこでつまづいたのかが生徒によって全く異なってきます。しかしそれは、表面的な点数だけからはわかりません。したがって国語の指導で重要なことは、ひとりひとりの苦手ポイントを見極めることと、それぞれの苦手ポイントに合う指導を行うことです。
例えば説明文が苦手な子と、物語が苦手な子では、間違える原因も対策も異なります。
説明文は論理的に書かれており、問題でも、言い換え・因果・並列などの論理関係を問う問題が多く出ます。したがって論理力を鍛えること、例えば言い換え・対立などの論理力の強化が効果があるでしょう。
また説明文は全体としての整合性が弱く、部分読みでわりと点が取れてしまうことがあります。したがって、考えすぎて点が取れないタイプの生徒に対し、「問いを見て傍線部の付近を読んで答える」といったやり方を指導することもまったく効果がないわけではありません(あくまで練習として、であり、本番でそれをやることは全くおススメしません)。
しかし物語はそもそも「論理的に書かれていない」文章です。例えば、犯人が誰で、どういう動機で事件を起こしたか、そしてそのトリックについて、すべてを因果的に順序良く説明する推理小説は、確かに論理的でわかりやすいでしょうが、まったく面白くないでしょう。
あるいは、かつて敵対していたが、やがて友情を感じるようになった相手と戦う羽目になった主人公のせつない心情を、「そうです、彼はそのとき半分は戦いたくないなと思っているが、でもやっぱり戦わないといけないので、なんだか苦しい気持ちになっているのです。」などと全部説明されたら萎えてしまうでしょう。
このような時は全て説明せず、「彼の目は悲しげにゆがんだ」とか「手が震えていた」など、わざと説明を省くことで、読者がしみじみと感じられる余地を作るほうが話に引き込まれます。つまり、ミスリード、飛躍、論理的な欠落をわざと作ることで、読者に「あれ?」と思わせ、話の内容に引き込むのが物語の書き方です。
したがって論理力の強化は物語にはあまり効果がありません。それよりも音読や、全体としてのつながりを捉える練習の方が効果があります。
このようなジャンルによる違い以外にも、例えば文構造をつかむ力が弱く、問いの意味を理解できないとか、適切な長さで文章を言い換える力が弱い、指示語を正しく捉えられないなど、様々な苦手ポイントが生徒ごとにあり、それぞれ異なった指導法が必要になります。
またこれからの入試においては意見文・小論文の比重が高まることが予想されます。そうした課題に対しては、論理的思考力だけでなく、教養力・表現力・発想力の強化が求められます。
ロゴスタでは、様々な苦手パターンに応じて、様々な指導法・教材を開発し、ひとりひとりに効果的な指導を行っています。
そのすべてを説明することはここではできないので、その一部をここでご紹介します。ご興味のある方は一部を無料で送付しますので、お気軽にお問い合わせください。
また国語の学習法や指導法については、随時このホームページで紹介していく予定です。お役立ち情報満載ですので、どうぞご期待ください。
ロゴスタ式国語指導のご紹介
文の構造図を書く練習
文構造を正しくつかむ力は、主語-述語や修飾語を問う問題以外に、実は問題の意味・意図を理解するために最も重要な力となります。なぜなら国語では、「わざと文の一部に傍線を引く」ことで、問いの意味をとらえづらくしているからです。そして実に多くの生徒が、文章を正しく読めていても、問いの意図をつかめずに点を落としてしまっています。これは図的にまとめることで感覚的に文構造を理解させる練習です。

任意の単語で終わるように文を並び替える練習
記述問題において、意味を変えずに適切な長さで言い換える力は最も重要な力です。その力を鍛えるには、任意の言葉で終わるように様々な文を並び替える練習が効果的です。それによって、文のつながり方を自在に調整できるようになるからです。


文章を構造的に捉える練習①
多くの国語が苦手な生徒は、「文章というものは、ちゃんと話題ごとに意味のある順番で書かれているのだ」ということを意識できません。文章をただの文字の羅列としか見ていないのです。人間は、意味のないものは憶えることができません。そのため、どこに何が書いてあったのか整理できず、読んでもすぐ忘れてしまうのです。この練習は、話題だけをリスト的に整理させることで、構造的に文章を捉える力を鍛えます。

文章を構造的に捉える練習②
話題ごとのカテゴリー関係、前後関係を整理させ、どういう順番で何を話していけば文章としてまとまるかを考えさせます。そうすることで、文章全体を構造的に捉える力が鍛えられるわけです。これは読解力だけでなく論理的な表現力も強化されます。

文章の要点整理
国語力の強化のためによく「要約」が勧められていますが、私の経験上、要約は負担がかかるわりに、あまり効果がありません。それより私が推奨するのが「文章の要点整理」という練習です。これは文章の論理構造を、リスト的に単純化する練習です。 要点だけを取り出し、各項目の言い換え・対立・並列・因果などの論理関係を整理させます。
要約があまり効果が無い理由は、一つは、文章によっては要約ができないからです。例えば純粋な説明文は要約できません。そんな馬鹿なと思う人は、ぜひ冷蔵庫の説明書を200字で要約してみてください。まったく意味がないとわかると思います。
もう一つは、要約の練習は、力が無い子はまったく書けないし、逆にある程度力がある子は、ただ適当に一部を抜き出すだけになりがちだからです。これを直すには指導者にかなりの力量と負担がかかるため、なかなか継続できないのです。
それよりもまず必要なのは、文章に秩序があることを意識し、全体の構造を簡単にマッピングする力です。さらにこの要点整理では、内容をリスト的に整理するために「項目のタイトル」を自分で考えて書く必要があります。これが、各段落・意味段落の内容を一言で単純化し、言い換える力を鍛えます。


論理力を鍛える練習:対立
国語においては、「言い換え」「対立」「因果」「並列」の四つの論理が大事です。これはそれぞれの論理力に焦点を当てて鍛える練習です。

具体化作文
これは「言い換え」の練習でもあり、また作文力・表現力の練習でもあります。指定された抽象的な文を、具体的に言い換えることで、抽象・具体を言い換える論理力だけでなく、発想力を鍛えます。
作文は、生徒の自由に書かせた場合、無難な内容ばかりになりがちです。それでは発想力が鍛えられません。「言いたいことは漠然と浮かぶんだけど、どう形にすればいいかわからない」という所を考えさせることで、発想する回路を鍛えます。

文章の「型」の練習①
文章には基本的な「型」があります。もちろん「型」やぶりの文章もありますが、まずは「型」を身につけることで、どんな内容でもそれなりにまとめられるようになります。

文章の「型」の練習②
小論文においては、「イエス・ノー」を答えるパターンと、「分析・提案」するパターンが重要です。これは任意のテーマについて、「イエス・ノー型」の型に沿って作文を書く練習です。
政治・社会など様々なテーマでパターン毎の作文を書くことで、論理力・表現力を鍛えます。またメモを作らせることで構成力も鍛えます。
